解説本
デカルト『省察』を読む
問いでたどる解説本
デカルトの『省察』(『第一哲学についての諸省察』)を、書かれた順に、一つずつ問いを立てながら読み進める解説本です。序章と全6章・附録の計32節に、巻末の用語が付きます。序章で、この作品を読むための背景を押さえたうえで、すべてを疑うところから、「我あり」、神の存在、誤りの原因、物体の存在、心と身体の区別まで、思考の道筋を一つずつたどります。
本文中の引用は、すべて古典書房の翻訳HTML『第一哲学についての諸省察』の訳文によります。サイトには、この本の話題に関連する記事を7本、無料で公開しています。目次の「関連記事」から、そのままお読みいただけます。
デカルト『省察』を読む
問いでたどる解説本
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目次
- はじめに(このページの下に全文を掲載しています)
- 序章 この作品を読むための背景
- 1 この本は、誰に宛てて、何のために書かれたのか
- 2 『方法序説』から、この本は何を引き継ぎ、何を足したのか
- 3 六つの省察は、どんな順に、何を示そうとしているのか
- 第一章 第一省察 疑いうるものについて
- 1 なぜ、すべてを根底から疑い直さなければならないのか
- 2 感覚が教えることは、疑えるのか
- 3 夢を見ているのかもしれない、という疑いは何を揺るがすのか
- 4 数学の確実さは、疑えるのか
- 5 なぜ、「悪しき霊」を仮定するのか 関連記事
- 第二章 第二省察 人間の精神の本性について
- 第三章 第三省察 神について、神は存在するということ
- 1 明確かつ判明に知覚するものは、真だと言ってよいのか
- 2 観念は、どんな種類に分けられるのか
- 3 結果は、原因より多くをもちうるのか
- 4 私が自分では作れない観念は、あるのか 関連記事
- 5 では、私自身は、どこから来たのか
- 第四章 第四省察 真と偽について
- 1 神が欺かないのなら、なぜ私は誤るのか
- 2 誤りは、どこから生じるのか
- 3 誤りを避けるには、どうすればよいのか
- 第五章 第五省察 物質的事物の本質について。再び神の存在について
- 1 物体の本性について、何が確実に言えるのか
- 2 神の観念だけから、神の存在を言えるのか 関連記事
- 3 神を知ることは、なぜあらゆる知識の確実さの土台なのか
- 第六章 第六省察 物質的事物の存在について。心と身体の実在的区別について
- 附録 幾何学的方式による配置
- 1 神の存在と、心と身体の区別は、幾何学の形ではどう示されるのか
- 用語(巻末)
はじめに
『第一哲学についての諸省察』(『省察』)は、デカルトが、神の存在と、心と身体の区別を、人間の理性だけで確かめようとした作品です。六つの省察は、日をまたいで進みます。語り手は、ひとりで考え続け、前の日の考えを受けて、次の日の考えを始めます。読み進めてみると、なぜここまで徹底して疑うのか、疑ったあとに残るものは何か、そこから神や物体の存在へどうやって進めるのか、といった疑問が、次々に湧いてきます。
この本は、その疑問を、デカルトが書いた順に、一つずつ問いの形で立てながらたどるための案内です。翻訳HTMLは、この作品を、六つの省察と、附録に分けています。この本は、それにしたがって、六つの章と附録の章に分けました。その前に、この作品を読むための背景を短くまとめた序章を置き、巻末には、引っかかりやすい言葉の手引きとして「用語」を付けました。各章の中は、その箇所で立ち上がる問いを見出しにした節に分かれています。
どの節から読み始めても、その節で何が問われているのかが分かるように書いていますが、『省察』は、前に確かめたことを土台にして次へ進む作品なので、順に読むことをおすすめします。
読むための手がかりを、一つだけ先に示しておきます。この作品の語り手は、確かだと思っていたことを、いったんすべて疑います。そのうえで、疑っても疑いきれないものを探し、それを足がかりに、一歩ずつ、確かなことを積み直していきます。今どの段階にいるのか、つまり、まだ疑っている段階なのか、何かを確かめた段階なのかを見失わなければ、この作品は、筋道をたどって読み通せます。
本文中の引用は、すべて翻訳HTMLの訳文によります。序章と用語には、訳文の外から補った説明が含まれますが、その部分は「原典の外の知識ですが」と断っています。引用のあとの(74頁)などの数字は、翻訳HTMLの底本の頁番号で、翻訳HTMLの「底本頁」表示と対応しています。気になった箇所は、翻訳HTMLで前後を通して読んでみてください。この本は、原典を読む代わりではなく、原典を読むための地図として書かれています。
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