解説本

バークリ『人知原理論』を読む

問いでたどる解説本

バークリの『人知原理論』を、書かれた順に、一つずつ問いを立てながら読み進める解説本です。序章と全14章の計41節に、巻末の用語を付けました。各節の見出しは、その箇所で立ち上がる問いです。

本文中の引用は、すべて古典書房の翻訳HTML『人知原理論』の訳文によります。サイトには、この本の話題に関連する記事を6本、無料で公開しています。目次の「関連記事」から読めます。

バークリ『人知原理論』を読む
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HTMLファイル(1ファイル)。ご購入後は、古典書房のサイト内でもお読みいただけます。

目次

はじめに

『人知原理論』は、バークリが書いた、序論と第一部からなる哲学書です。私たちが見たり触れたりしている物は、心の外に、知覚されないままでも存在している、という考えを、バークリは出発点から問い直します。物とは何か、存在するとはどういうことか、そして、その問いが、学問や神についての考えにまで及んでいきます。論述の書で、語り手の「私」は、バークリ自身です。読み進めるうちに、なぜそう言えるのか、その前提は何だったのか、という疑問が次々に湧いてくる本です。

この本は、その疑問を、バークリが書いた順に、一つずつ問いの形で立てながらたどるための案内です。序論は、言葉と抽象観念を扱います。第一部は、存在の原理を立て、それに向けられそうな反論に答え、その帰結を自然哲学と数学に確かめ、最後に精神と神に至ります。この本は、その流れに沿って、十四の章に分けました。その前に、この作品を読むための背景を短くまとめた序章を置き、巻末には、引っかかりやすい言葉の手引きとして「用語」を付けました。各章の中は、その箇所で立ち上がる問いを見出しにした節に分かれています。

どの節から読み始めても、その節で何が問われているのかが分かるように書いていますが、『人知原理論』は、前に確かめたことを次の議論の土台にする作品なので、順に読むことをおすすめします。

読むための手がかりを、一つだけ先に示しておきます。この作品は、結論をただ受け取らせるのではなく、読者に自分の観念をのぞきこんで確かめることを求めます。今、何が言えたところなのか、その結論が次の問いでどう使われるのか、この二つを見失わなければ、序論から第一部の終わりまで、筋道をたどって読み通せます。

本文中の引用は、すべて翻訳HTMLの訳文によります。引用のあとの(§7)などの数字は、第一部の節番号で、翻訳HTMLの各節の頭に付いている番号と対応しています。序論からの引用には、(序論§7)のように「序論」が付いています。序章と用語には、訳文の外から補った説明が含まれますが、その部分は「原典の外の知識ですが」と断っています。気になった箇所は、翻訳HTMLで前後を通して読んでみてください。

まず序章で、この作品が書かれた経緯と、向き合った難問を確かめておきます。そのうえで、本文の最初の問い、哲学は、なぜかえって疑いに陥るのか、に入りましょう。

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