解説本

プラトン『パルメニデス』を読む

問いでたどる解説本

プラトンの対話篇『パルメニデス』を、原典の順に、一つずつ問いを立てながら読み進める解説本です。全13章26節。前半の形相(イデア)への問いから、後半の「一があるなら」「一があらぬなら」の一問一答まで、議論の道筋を一つずつたどります。

本文中の引用は、すべて古典書房の翻訳HTML『パルメニデス』の訳文によります。サイトで公開している記事は、この本の節の一部です。目次の「記事で読む」から、そのままお読みいただけます。

プラトン『パルメニデス』を読む
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HTMLファイル(1ファイル)。ご購入後は、古典書房のサイト内でもお読みいただけます。

目次

はじめに

『パルメニデス』は、プラトンの対話篇のなかで、もっとも難解な作品の一つとされてきました。前半では、若いソクラテスが、美そのもの、正義そのもの、類似性そのもののような形相(イデア)を立て、老いたパルメニデスがそれを次々に問い詰めます。後半では、パルメニデス自身が、一があるなら、一があらぬなら、何が帰結するかを、一問一答で延々とたどってみせます。前半は読めても、後半で道を見失う。多くの読者が経験することです。

この本は、その道筋を、原典の順に、一つずつ問いを立てながらたどるための案内です。章は、古典書房の翻訳HTML『パルメニデス』の解説、および無料で公開している「知るための本」と共通の、十三の区分に対応しています。各章の中は、その区分で立ち上がる問いを見出しにした節に分かれています。どの節から読み始めても、その節で何が問われているのかが分かるように書いていますが、後半(第五章以降)は、前の章の結論を受けて進むので、順に読むことをおすすめします。

後半を読むための手がかりを、一つだけ先に示しておきます。第四章で見るように、パルメニデスは、仮定を立てるときには、それが「ある」とする場合と「あらぬ」とする場合の両方について、そのもの自身にとって、また他のものにとって、何が帰結するかをたどれ、と言います。後半の各章は、ほぼこの組み合わせのどこかに当たります。第五章・第六章は「一があるなら、一は」、第八章・第九章は「一があるなら、他のものは」、第十章・第十一章は「一があらぬなら、一は」、第十二章・第十三章は「一があらぬなら、他のものは」。第七章だけは、第五章と第六章の結論を時間のうちで結びつける、つなぎの考察です。そして、それぞれの組は、捉え方の違いによって、正反対の結論を出す二つの考察から成っています。今どの組のどちら側を読んでいるのかを見失わなければ、後半は必ず読み通せます。

用語について、一つお断りしておきます。この対話篇では、形相を指す語として、「エイドス」と「イデア」の二つが使われています。古典書房の翻訳HTMLでは、原語の違いを示すために前者を「形相」、後者を「イデア」と訳し分けていますが、指しているものは同じです。この本でも、引用のなかでは訳文どおり「形相」「イデア」を使い、地の文では、文脈に応じて両方を用いています。

本文中の引用は、すべて翻訳HTMLの訳文によります。引用のあとの(130b)などの記号は、ステファヌス版の番号で、翻訳HTMLの「底本頁」表示と対応しています。気になった箇所は、翻訳HTMLで前後を通して読んでみてください。この本は、原典を読む代わりではなく、原典を読むための地図として書かれています。

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